老眼の豆知識
近視に対する偏見
日本では近視に対する偏見や間違った知識がよく見られます。アメリカの眼科学会が発表した情報と日本の常識と思われている物にはかなりの相違があったようです。例えば、次のような質問はいかがでしょうか。本を読むときにものすごく目に近付けて読むと目を傷めますか。テレビを近距離で見続けていると目が破壊されてしまいますか。薄暗い部屋でテレビを見る時、画面が明るいと目に有害な影響がありますか。メガネを使うとき度数の強すぎる物を使い続けると目が壊れますか。視力を回復させるためには頻繁に目を休めるのが効果的ですか。コンタクトレンズを使うと近視が治療できますか。などの質問です。きっと多くの方は、その通りだと思われているかもしれませんが、実はこの質問はすべて間違いだというのが実際の答えなのです。どうしてこのようなことが生じているのでしょうか。
実は、今から70年以上も前のことになりますが、厚生・文部両次官から出された近視予防法という通達が原因のようです。当時、大日本帝国国民はこの通達を厳守するように指令され、義務教育であった小学校でも周知徹底がはかられました。この通達を要約すると、取り組み方次第で近視は予防できるというのが趣旨でした。この通達は第二次世界大戦へと突き進んでいた国家の要請で作られましたので、徴兵義務のあった男子には特に遵守が求められました。そのせいで、近視は生活習慣が悪く、自己管理が出来ていないための怠慢だと思われ、国の役に立たない人材だとして見下げられることになったのです。
現在の国際的な眼科学の見解では、近視は成長過程における個人の目の性質の問題なので、訓練で予防したり治療できるようなものではないというのが正しい見解のようです。